はじめに

陶器とは、粘土からつくられた焼きもののことです。1100~1200℃くらいの温度で焼かれています。 粉引をはじめ、焼〆など陶器は全般的に吸水性があり、少々もろく欠けやすいのが特徴です。 表面には見えない隙間や穴があるため、汚れがしみ込みやすく、放っておくと臭いやカビの原因となります。 お手入れに少し手間がかかりますが、使い込んでいくうちに色合いや表情が変化していくおもしろさ、それが陶器の良さであると思います。

育てる粉引のうつわ

粉引のうつわは昔から「育てるうつわ」と言われています。使えば使うほど粉引ならではの「味」がでてきます。 やさしく柔らかい雰囲気が美しい反面、汚れやすく欠けやすいのが特徴です。「味」のある良い粉引のうつわを育てるためには、一般的な陶器よりも注意が必要となります。

貫入について

貫入(かんにゅう)とは、うつわの表面に施された釉薬の亀裂のような模様のことをいいます。陶器が焼かれた後の冷えていく過程で、土と釉薬の収縮度の違いによっておこる現象です。 はじめから目に見えて分かるものから、細かく分からないものまであります。細かい貫入の場合、熱いものを入れたあと使用後冷めていく温度差(土は温まりにくく冷めにくいのに対し、釉薬は温まりやすく冷めやすい)で、徐々に釉薬に亀裂が入っていき見えてくるようになります。 決して悪いものではなく、茶の湯の世界では、使っていくうちに茶渋が貫入にしみ込んで変化していくことを「七化け」といい、使用すればするほど変わっていく色や景色を楽しむそうです。

一番はじめにお使いになる前に

汚れをしみにくくするためには「米のとぎ汁」で煮沸し、目止めをするのが効果的と言われています。 ゆっくりとした変化を楽しみたい方、貫入が気になる方、粉引のうつわ、焼〆のうつわをご購入された方には特におすすめいたします。 釉薬のかかっていない焼〆のうつわは水漏れすることもあります。その場合、水漏れしなくなるまで目止めの作業を繰り返しおこなってください。

目止めの手順

  • うつわが全て隠れる大きさのお鍋に、うつわがかぶるくらいの米のとぎ汁を入れます。
  • 火にかけ、沸騰したら弱火で20分~30分煮沸します。※ぐらぐらと沸騰したままにしておくと、うつわと鍋底やうつわ同士がぶつかり破損の恐れがありますので十分ご注意ください。
  • 火を止め、そのままの状態で冷まします。触れるくらいの温度になったらうつわを取り出しきれいに洗います。※火傷には十分ご注意ください。
  • 水気を拭き取り、しっかりと乾燥させます。

お料理を盛りつける前に

乾燥した状態でいきなり油物や色の濃いお料理を盛りつけると、汁気や油がしみ込んで汚れやシミの原因となります。粉引や釉薬のかかっていない焼〆のうつわは特にご注意ください。ご使用前にはしばらく水に浸しておき、軽く拭いてから盛り付けることで汚れやシミが付きにくくなります。水につけた際、シミのような斑点がでるものがありますが乾くと消えるのでご安心ください。

電子レンジについて

あたため程度のご使用は問題ないかと思いますが、長時間のご使用やあたためるお料理によっては汚れやシミ、ひび割れの原因となりますので、ご使用はできるだけ避けていただくことをおすすめします。
※全く使えないうつわもございますのでご注意ください(上絵、金彩、銀彩、金属性の彩色がされたものなど)

洗い方

浸け置き洗いは避けてください。他のものにあたると欠けてしまったり、別の食器からでた汚れや洗剤を吸収してしまいます。 また、上絵や銀彩などのうつわは、強くこすると剥げてしまうこともありますので、柔らかいスポンジでやさしく洗ってください。 焼〆は表面がザラザラなので、タワシなど毛先のかたいものでやさしく洗ってください。

食洗機について

強い水流でうつわ同士がぶつかって欠けてしまったり傷ついてしまうので、食洗機のご使用はおすすめできません。 乾燥のみでしたらお使いいただけますが、乾きが不十分な場合、長時間入れておくと臭いやカビの原因となりますのでご注意ください。

収納の仕方

ふきんで水気を拭き取っても、すぐには片付けないで完全に乾燥させてから収納してください。乾きが不十分な場合、臭いやカビの原因となります。焼〆のうつわなどを箱にしまい込む場合は、天気の良い日や乾燥した日に3日間程度しっかりと乾燥させてから収めると良いでしょう。

最後に

ご覧になった方で「めんどくさっ!」「こんなこと毎日できない」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
はい、私もです。。。
と、いうわけで、実験?といいましょうか「店主の使い方」をご紹介したいと思います。
※おすすめはできません。参考程度にご覧下さい。

私はお米のとぎ汁で煮込んだことは正直一度もありません。
食洗機、毎日入れております。
電子レンジ、陶器ばかりの食器なのに使うなと言うほうが無理です。

だいたいどのうつわも、盛りつける前に水に浸すこともせず使っています。
カレーや焼き魚、揚げ物にミートソースなど油も色も濃いものをどーんとのせていますが「シミになってる~」と思った事は一度もありません。ただ《ざらっとした粉引》のものだけはカレーや色の濃いものを盛ったり、電子レンジの使用は避けています。 食洗機に入れるときはそれなりに配慮しています。雑に入れると強い水流でうつわ同士があたって運が悪ければ欠けます。。。 隙間をあけて入れるか、動かないようがっちり固定させて入れています。
少なめの時は手洗いして乾燥だけ使っています。多い少ないに関わらず、この方法が一番いいかもしれませんね。

釉薬のかかっていない焼〆のうつわのみ、目止めの作業こそしていませんがそれ以外は一般的な陶器の扱い方をしています。 「味」のある焼〆になるまでの道のりは長いので、一応マニュアルどおりに。。。

白っぽいうつわは使い込んだ感じになっていますが「雰囲気が変わってきた」とでもいいましょうか、いい味が出てきたなぁと感じています。当店で扱っている商品のほとんどが日常生活で使ううつわです。作り手さまも色々と配慮して作られておられますし、私はあまり神経質にならず使っています。

多くの方に、扱いにくいとされている陶器が、もっと身近で気軽に使えるものになればいいなと思っています。